労働安全衛生および人材育成に関する情報を発信いたします。

「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」が実施されます

   

 厚生労働省より、職場における熱中症予防対策を徹底するため、今年も5月から9月までを重点月間とし、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」が実施されます。

 

令和2年は、毎年の取り組みに加え、以下についても重点的に実施することを呼びかけています。

*暑さ指数の実測…作業場所のWBGT値(暑さ指数)を実測して作業に反映させること

*衣類の通気性に着目…熱がこもりにくい服装にも注意すること

 

 

 

■STOP!熱中症クールワークキャンペーンとは

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STOP!熱中症クールワークキャンペーンとは、厚生労働省を中心にとした毎年実施している熱中症予防対策のキャンペーンです。

 

夏季を中心に熱中症の発生が相次ぐ中、職場においても熱中症が発生しており、重篤化して死亡災害となる事例も跡を絶たない状況にあることから、平成 21年 6 月 19 日付け基発第 0619001 号「職場における熱中症の予防について」に基づく対策を基本とし、各事業場で取り組んでいます。

厚生労働省では、毎年実施している「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」において、労働災害防止団体や関係省庁とも連携し、職場における熱中症の予防に取り組んできています。
 

 

労働災害発生状況に目を向けてみると、昨年1年間の職場における熱中症の発生状況は、休業4日以上の死傷者数 790人、うち死亡者数は 26人でした。

業種別では、死傷者数において製造業が最も多く、過去 10 年で初めて建設業を上回り、屋内作業におけるものが多くみられました。

死亡者数は、建設業、製造業、警備業で多く、屋外作業においてWBGT 値(暑さ指数)を実測せず、WBGT 基準値に応じた措置が講じられていなかった事例、被災者の救急搬送が遅れた事例、事業場における健康管理が適切に実施されていなかった事例等が含まれていました。

 

以上の経緯も踏まえ、今年も本キャンペーンを通じて、すべての職場において基本的な熱中症予防対策を講ずるよう広く呼びかけるとともに、熱中症の初期症状を早期に把握し、重篤化や死亡に至ることがないよう、期間中、事業者が WBGT 値を把握してそれに応じた適切な対策を講じ、緊急時の対応体制の整備を図るなど、重点的な対策の徹底を図ることを目指しています。

 

実施期間は、5月1日から9月 30 日まで、4月は準備期間、7月を重点取組期間と定めています。

キャンペーン期間中に各事業場で重点的に実施していただきたい事項は、「準備期間中(4月)」「キャンペーン期間中(5月から9月)」「重点取組期間中(7月)」の3つのブロックからなりたいいています。

 

 

 

■準備期間中(4月)

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1.WBGT 値の把握の準備

WBGT 値測定器を準備し、点検すること。

 

 

2.作業計画の策定等

夏季の暑熱環境下における作業に対する作業計画を策定すること。

また、熱中症の症状を呈して倒れた場合等を想定したリスクアセスメントに基づく措置も考慮すること。

 

 

3.設備対策の検討

WBGT 基準値を超えるおそれのある場所において作業を行うことが予定されている場合には、簡易な屋根の設置、通風又は冷房設備の設置、ミストシャワー等による散水設備の設置を検討する。

また、既に設置している冷房設備等については、その機能を点検する。

 

 

4.休憩場所の確保の検討

作業場所の近くに冷房を備えた休憩場所又は日陰等の涼しい休憩場所の確保を検討する。

当該休憩場所は横になることのできる広さのものとする。

 

 

5.服装等の検討

熱を吸収し又は保熱しやすい服装は避け、透湿性及び通気性の良い服装を準備すること。

身体を冷却する機能をもつ服の着用も検討する。

また、直射日光下における作業が予定されている場合には、通気性の良い帽子、ヘルメット等を準備する。

なお、事業者が業務に関連し衣類や保護衣を指定することが必要な場合があり、この際には、あらかじめ衣類の種類を確認し、WBGT 値の補正の必要性を考慮すること。

 

 

6.教育研修の実施

各級管理者、労働者に対する教育を実施する。

 

 

7.労働衛生管理体制の確立

事業者、産業医、衛生管理者、安全衛生推進者又は衛生推進者が中心となり、熱中症予防対策について検討するとともに、事業場における熱中症予防に係る責任体制の確立を図る。

 

 

8.緊急事態の措置

事業場において、労働者の体調不良時に搬送を行う病院の把握や緊急時の対応について確認を行い、労働者に対して周知する。
 

 

 

 

 

■キャンペーン期間中(5月から9月)

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1.WBGT 値の把握

WBGT 値の把握は、日本産業規格に適合した WBGT 値測定器による随時把握を基本とすること。

測定方法や測定場所の差異により、参考値は、実測したWBGT値よりも低めの数値となることがあるため、直射日光下における作業、炉等の熱源の近くでの作業、冷房設備がなく風通しの悪い屋内における作業については、実測することが必要である。

 

 

2.WBGT 値の評価
WBGT 値(実測又は作業場所に合わせて補正したもの)は、WBGT基準値に照らして評価し、熱中症リスクを正しく見積もること。

WBGT 基準値を超え又は超えるおそれのある場合には、WBGT 値の低減をはじめとした対策を徹底する。

 

 

3.作業環境管理

①WBGT 値の低減等

 WBGT 値の低減対策を行う。

 

②休憩場所の整備等

休憩場所の設置を行う。

休憩場所には、氷、冷たいおしぼり、水風呂、シャワー等の身体を適度に冷やすことのできる物品及び設備を設ける。また、水分及び塩分の補給を定期的かつ容易に行うことができるよう飲料水、スポーツドリンク、塩飴等の備付け等を行う。

 

 

4.作業管理

①作業時間の短縮等

作業計画に基づき、WBGT 基準値に応じた休憩等を行うこと。

測定した WBGT 値が WBGT 基準値を大幅に超える場合は、原則として作業を行わないこととする。

WBGT 基準値を大幅に超える場所で、やむを得ず作業を行う場合は、留意して作業を行う。

 

②熱への順化

熱への順化の有無が、熱中症の発生リスクに大きく影響することから、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くすることが望ましい。

なお、夏季休暇等のため熱へのばく露が中断すると4日後には順化の顕著な喪失が始まることに留意する。

 

③水分及び塩分の摂取

労働者は自覚症状の有無にかかわらず、水分及び塩分の作業前後の摂取及び作業中の定期的な摂取を行う。

管理者は、労働者の水分及び塩分の摂取を確認するための表の作成、作業中の巡視における確認などにより、労働者からの申出にかかわらず定期的な水分及び塩分の摂取の徹底を図る。

 

④服装等

服、帽子、ヘルメット等を着用する。必要に応じて、通気性の良い衣類に変更する。

 

 

5.健康管理

①健康診断結果に基づく対応等

熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある次のような疾病を有する者に対しては、医師等の意見を踏まえ配慮を行う。

 

②日常の健康管理等

当日の朝食の未摂取、睡眠不足、前日の多量の飲酒、体調不良等が熱中症の発症に影響を与えるおそれがあることについて指導を行うとともに、当日の作業開始前には、労働者に対し、当日の朝食の未摂取、睡眠不足、前日の多量の飲酒、体調不良等の健康状態の確認を行い、必要に応じ作業の配置換え等を行う。

また、熱中症の具体的症状について労働者に教育し、労働者自身が早期に気づくことができるようにする。

 

③労働者の健康状態の確認

作業開始前に労働者の健康状態を確認する。

作業中は巡視を頻繁に行い、声をかけるなどして労働者の健康状態を確認する。

また、複数の労働者による作業においては、労働者にお互いの健康状態について留意するよう指導するとともに、異変を感じた際には躊躇することなく周囲の労働者や管理者に申し出るよう指導する。

 

 

6.労働衛生教育

教育研修については、期間中、なるべく早期に機会をとらえて実施する。

特に雇入れ時や新規入場時に加え、日々の朝礼等の際にも繰り返し実施する。

 

 

7.異常時の措置

少しでも本人や周りが異変を感じた際には、必ず、一旦、作業を離れ、病院に搬送するなどの措置をとるとともに、症状に応じて救急隊を要請する。

 

 

8.熱中症予防管理者等の業務

衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者又は熱中症予防管理者に対し、次の業務を行わせること。

・作業に応じて、適用すべき WBGT 基準値を決定し、併せて衣類に関し WBGT値に加えるべき補正値の有無を確認すること。

・ WBGT 値の低減対策の実施状況を確認すること。

・入職日、作業や休暇の状況等に基づき、あらかじめ各労働者の熱への順化の状況を確認すること。

・朝礼時等作業開始前において労働者の体調を確認すること。

・作業場所の WBGT 値の把握と結果の評価を行うこと。

・評価結果に基づき、必要に応じて作業時間の短縮等の措置を講ずること。

・職場巡視を行い、労働者の水分及び塩分の摂取状況を確認すること。

 

 

 

 

■重点取組期間中(7月)

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1.作業環境管理

 WBGT 値の低減効果を再確認し、必要に応じ追加対策を行う。

 

 

2.作業管理
①期間中に梅雨明けを迎える地域が多く、急激な WBGT 値の上昇が想定されるが、その場合は、労働者の熱への順化ができていないことから、WBGT 値
に応じた作業の中断等を徹底する。

②水分及び塩分の積極的な摂取や熱中症予防管理者等によるその確認の徹底を図る。

 

 

3.健康管理
当日の朝食の未摂取、睡眠不足、体調不良、前日の多量の飲酒等について、作業開始前に確認するとともに、巡視の頻度を増やす。

 

 

4.労働衛生教育

期間中は熱中症のリスクが高まっていることを含め、重点的な教育を行う。

 

5.異常時の措置

異常を認めたときは、躊躇することなく救急隊を要請する。

 

 

 

熱中症は、あらかじめ準備して対策することによってほとんどの場合、防ぐことができます。

そのためにも上記のとおり、実施することが大切です。

熱中症予防対策をあらかじめ入念に準備し、より安心に安全に作業をおこなうことができるようにしていきましょう。

 

 

 

資料出所:令和2年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の概要

 

 

 

 

 

■出張講習のご案内

図3

株式会社きらめき労働オフィスでは、熱中症予防労働衛生教育を実施いたします。

出張対応エリアは全国対応可能で、ご訪問させていただき出張講習が可能です。

ご検討の際は、お気軽にお問合せください。

 

 

《労働安全衛生法に基づく出張講習一覧》

株式会社きらめき労働オフィスでは、熱中症予防労働衛生教育をはじめ、職長安全衛生責任者教育、特別教育等の出張講習を実施いたします。

 

●職長教育等

職長教育【製造業】

職長教育能力向上教育(再教育)【製造業】

職長安全衛生責任者教育【建設業】

職長安全衛生責任者能力向上教育(再教育)【建設業】

現場管理者統括管理講習

 

●特別教育等

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

足場の組立て等特別教育

有機溶剤取扱業務安全衛生教育

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育  

粉じん作業特別教育

自由研削といし取替試運転作業者特別教育(学科)

振動工具取扱作業者安全衛生教育

丸のこ等取扱作業従事者安全衛生教育

新入者安全衛生教育

ダイオキシン類作業従事者特別教育

石綿使用建築物等解体等特別教育

情報機器作業労働衛生教育

腰痛予防労働衛生教育

熱中症予防労働衛生教育

 

 

《株式会社きらめき労働オフィスの講習の特徴》

〇御社にご訪問して実施

御社または御社に指定する場所(貸し会議室等)に講師派遣させていただきご訪問させていただきますため出張講習が可能。

〇コスト削減ができる

出張講習のため、従業員の出張費、移動時間が節約できます。

〇修了証が当日発行できる

事前に受講者情報をご提供いただきましたら講習を修了し認定されると修了証を即日発行いたします(プラスチック製の修了カードをお渡しいたします)。

〇柔軟なスケジュール調整が可能

大手教育機関では日程の調整がつかない、人数が多すぎて受講できないといった問題を解決し、柔軟な日程・カリキュラムを組ませていただきます。

〇プロのトレーナーが教育を実施

国の安全衛生機関である中央労働災害防止協会または建設業労働災害防止協会が認定しているインストラクター資格者が教育実施。弊社水準の研修のトレーニングを受けたプロの講師が登壇するため、分かりやすく教育を実施いたします。

〇労働問題のアドバイスももらえる

各専門分野のプロの集団が在籍し、労働災害防止、メンタルヘルス・ハラスメント対策など職場の安全衛生管理について深いアドバイスをさせていただくことも可能です。

 

 

《出張地域》

出張地域は、全国対応可能です。

主な活動地域としましては、関西(大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山)、関東(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬)、中国・四国(岡山、広島、山口、鳥取、島根、徳島、香川、愛媛、高知)、中部(愛知、三重、福井、岐阜、静岡、石川、富山)、北海道、九州(福岡、大分、宮崎、佐賀、長崎、熊本、鹿児島)になりますが、遠方(青森、秋田、山形、岩手、新潟、宮城、福島、長野、山梨、沖縄)からのご依頼も多く、対応させていただいています。

まずはHPのお問合せフォームからご相談ください。

 

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