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叱り方はトレーニングで習得することができる

      2020/06/26

日常生活・職場生活において時には怒ったり、叱ったりする場面が出てきます。

今回は、上手に叱ることができる技術について「叱り方はトレーニングで習得することができる」をご紹介いたします。

 

叱ると怒るの違い

叱ると怒るは定義があいまいでなかなか整理できないという方もいらっしゃるかと思います。

まず、叱ると怒るの違いからみていきましょう。

 

怒るとは、辞典によると「不満・不快なことがあってがまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。」、「よくない言動を強くとがめる。しかる。」と書かれています。

叱るについては、「目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる。」と書かれています。

怒るも叱るも「強くとがめる」という点では共通しているからこそなかなか区別がつかない訳です。

 

しかし、怒ると叱るには大きな違いがあります。

それは、叱るは目下の者に対してということです。

 

「上司が部下に怒る、部下が上司に怒る」、これはよくありますよね。

「上司が部下に叱る、部下が上司に叱る」、これはどうでしょうか?

「部下が上司に叱る」は聞きなれないですよね。

つまり、目上の人が目下の人に対してということが叱ると怒るの違いになります。

 

叱るはトレーニングで上達する

叱ることは、勉強やスポーツと同じように技術を習得すれば上達します。

普段、叱るトレーニングをすることもあまりないので苦手意識がついていき余計に叱れなくなるのです。

単に私たちは叱ることに対して練習不足だけであると考えていただければわかりやすいかと思います。

ですので、叱るトレーニングを積んでいけばトレーニングを積めば上手に叱ることができるのです。

 

相手にリクエストしよう

叱るには順序があり、順序立てて構成していきます。

相手にリクエスト→自分の気持ちを話すことです。

 

叱ることはリクエストすることです。

叱るということは、「次からこうしてほしい」、「改善してほしい」、「相手の成長を願っているからこそ伝えたい」からですよね。

ですので、まずはリクエストをしていきます。

 

そして自分の気持ちを伝えることです。

「実はこういう気持ちだった」、「〇〇〇〇〇〇と感じている」、「〇〇〇〇〇〇の行動はまわりにこう思われるよ」と伝えていくわけです。

 

このようにメインにリクエスト、サブに自分の伝える方が相手は受けやすいということです。

 

叱るときに気をつけておきたいワード

叱るときには気をつけておくべきポイントがあります。

 

過去の言葉

過去を引っ張り出して「あのときこうだった」、「前から言おうと思っていたけど」、「またなの?」など使用して相手を納得させようとすることです。

相手を負かせてどこまでも追究していく言葉で言い出せばきりがありません。

相手からしたら「はあ?」です。

そのときその場所で起きたことのみにフォーカスして伝えていきましょう。

 

責める言葉

「なぜできないの?」、「この前教えたけど分かってるの?」、「それで?」など尋問するような言葉です。

これは相手に取ったら強い言葉として受けとめられ、逃げるために「すみません」、「申し訳ありません」、「……………」しか言えなくなります。

過去にフォーカスすることは責めること、未来にフォーカスすることは考えさせることという風に考えていきましょう。

 

強い言葉

「いつも」、「絶対」、「間違いない」など一方的に決めつけ語調を強める言葉です。

「いつも」、「絶対」、「間違いない」など決して100%ではないのに決めつけることはやめましょう。

 

曖昧な言葉

「しっかりとやれ」、「きちんと仕上げてほしい」、「普通はこうだ」など抽象的な表現の言葉です。

これも程度を表す言葉ではありますが、非常に不正確なため使うことは避けましょう。

抽象的言葉で相手に伝えるとギャップが生まれてしまいます。

 

 

上手に叱ることは高度な技術は要求されません。

ご紹介しましたように非常にシンプルで取り組みやすいトレーニングですので、ぜひ勤トレしていきましょう。

 

 

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