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騒音作業従事者労働衛生教育の受講が必要です

騒音職場とは、圧縮空気により駆動される機械、動力により駆動されるハンマーを用いる機械、インパクトレンチ、電動ドライバー、サンダーなどを用いておこなう様々な職場を指しています。騒音は、労働者に不快感や身体的影響を与えるだけでなく、会話や報連相(報告・連絡・相談)、合図などの聴取障害(マスキング)も発生し、作業の質を妨害します。騒音作業下において、長時間騒音作業に従事し続けると騒音性難聴を引き起こすリスクが懸念されます。

事業者は、「厚生労働省基発第546号騒音障害防止のためのガイドライン」に従い、常時騒音作業に従事しようとする労働者に対し「騒音作業従事者労働衛生教育」を実施するよう定められています。「騒音作業従事者労働衛生教育」では「騒音の人体におよぼす影響」、「適正な作業環境の確保と維持管理」、「防音保護具の使用の方法」、「改善事例および関係法令」について学んでいただきます。

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騒音作業従事者労働衛生教育の法的根拠

●労働安全衛生法第22条

事業者は、次の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
一 原材料、ガス、蒸気、粉じん、酸素欠乏空気、病原体等による健康障害
二 放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧等による健康障害
三 計器監視、精密工作等の作業による健康障害
四 排気、排液又は残さい物による健康障害

●労働安全衛生規則第576条

事業者は、有害物を取り扱い、ガス、蒸気又は粉じんを発散し、有害な光線又は超音波にさらされ、騒音又は振動を発し、病原体によつて汚染される等有害な作業場においては、その原因を除去するため、代替物の使用、作業の方法又は機械等の改善等必要な措置を講じなければならない。

●騒音障害防止のためのガイドライン(平成4年10月1日付け基発第546 号)

1.目的

本ガイドラインは、労働安全衛生法令に基づく措置を含め騒音障害防止対策を講ずることにより、騒音作業に従事する労働者の騒音障害を防止することを目的とする。
2.騒音作業
本ガイドラインの対象とする騒音作業は、別表第1及び別表第2に掲げる作業場における業務をいう。
3.事業者の責務
別表第1及び別表第2に掲げる作業場を有する事業者(以下「事業者」という。)は、当該作業場について、本ガイドラインに基づき適切な措置を講ずることにより、騒音レベルの低減化等に努めるものとする。

7 労働衛生教育
事業者は、常時騒音作業に労働者を従事させようとするときは、当該労働者に対し、次の科目について労働衛生教育を行うこと。
①騒音の人体に及ぼす影響
②適正な作業環境の確保と維持管理
③防音保護具の使用の方法
④改善事例及び関係法令

●騒音障害防止のためのガイドライン(平成4年10月1日付け基発第546 号) 別表1

(1) 鋲(びよう)打ち機、はつり機、鋳物の型込機等圧縮空気により駆動される機械又は器具を取り扱う
業務を行う屋内作業場
(2) ロール機、圧延機等による金属の圧延、伸線、ひずみ取り又は板曲げの業務(液体プレスによるひ
ずみ取り及び板曲げ並びにダイスによる線引きの業務を除く。)を行う屋内作業場
(3) 動力により駆動されるハンマーを用いる金属の鍛造又は成型の業務を行う屋内作業場
(4) タンブラーによる金属製品の研磨又は砂落しの業務を行う屋内作業場
(5) 動力によりチェーン等を用いてドラムかんを洗浄する業務を行う屋内作業場
(6) ドラムバーカーにより、木材を削皮する業務を行う屋内作業場
(7) チッパーによりチップする業務を行う屋内作業場
(8) 多筒抄紙機により紙をすく業務を行う屋内作業場

 ●騒音障害防止のためのガイドライン(平成4年10月1日付け基発第546 号) 別表2

(1) インパクトレンチ、ナットランナー、電動ドライバー等を用い、ボルト、ナット等の締め付け、取
り外しの業務を行う作業場
(2) ショットブラストにより金属の研磨の業務を行う作業場
(3) 携帯用研削盤、ベルトグラインダー、チッピングハンマー等を用いて金属の表面の研削又は研磨の
業務を行う作業場
(4) 動力プレス(油圧プレス及びプレスブレーキを除く。)により、鋼板の曲げ、絞り、せん断等の業
務を行う作業場
(5) シャーにより、鋼板を連続的に切断する業務を行う作業場
(6) 動力により鋼線を切断し、くぎ、ボルト等の連続的な製造の業務を行う作業場
(7) 金属を溶解し、鋳鉄製品、合金製品等の成型の業務を行う作業場
(8) 高圧酸素ガスにより、鋼材の溶断の業務を行う作業場
(9) 鋼材、金属製品等のロール搬送等の業務を行う作業場
(10) 乾燥したガラス原料を振動フィーダーで搬送する業務を行う作業場
(11) 鋼管をスキッド上で検査する業務を行う作業場
(12) 動力巻取機により、鋼板、線材を巻き取る業務を行う作業場
(13) ハンマーを用いて金属の打撃又は成型の業務を行う作業場
(14) 圧縮空気を用いて溶融金属を吹き付ける業務を行う作業場
(15) ガスバーナーにより金属表面のキズを取る業務を行う作業場
(16) 丸のこ盤を用いて金属を切断する業務を行う作業場
(17) 内燃機関の製造工場又は修理工場で、内燃機関の試運転の業務を行う作業場
(18) 動力により駆動する回転砥石を用いて、のこ歯を目立てする業務を行う作業場
(19) 衝撃式造形機を用いて砂型を造形する業務を行う作業場
(20) コンクリートパネル等を製造する工程において、テーブルバイブレータにより締め固めの業務を行う作業場
(21) 振動式型ばらし機を用いて砂型より鋳物を取り出す業務を行う作業場
(22) 動力によりガスケットをはく離する業務を行う作業場
(23) びん、ブリキかん等の製造、充てん、冷却、ラベル表示、洗浄等の業務を行う作業場
(24) 射出成型機を用いてプラスチックの押出し、切断の業務を行う作業場
(25) プラスチック原料等を動力により混合する業務を行う作業場
(26) みそ製造工程において動力機械により大豆の選別の業務を行う作業場
(27) ロール機を用いてゴムを練る業務を行う作業場
(28) ゴムホースを製造する工程において、ホース内の内紙を編上機により編み上げる業務を行う作業場
(29) 織機を用いてガラス繊維等原糸を織布する業務を行う作業場
(30) ダブルツインスター等高速回転の機械を用いて、ねん糸又は加工糸の製造の業務を行う作業場
(31) カップ成型機により、紙カップを成型する業務を行う作業場
(32) モノタイプ、キャスター等を用いて、活字の鋳造の業務を行う作業場
(33) コルゲータマシンによりダンボール製造の業務を行う作業場
(34) 動力により、原紙、ダンボール紙等の連続的な折り曲げ又は切断の業務を行う作業場
(35) 高速輪転機により印刷の業務を行う作業場
(36) 高圧水により鋼管の検査の業務を行う作業場
(37) 高圧リムーバを用いてICパッケッージのバリ取りの業務を行う作業場
(38) 圧縮空気を吹き付けることにより、物の選別、取出し、はく離、乾燥等の業務を行う作業場
(39) 乾燥設備を使用する業務を行う作業場
(40) 電気炉、ボイラー又はエアコンプレッサーの運転業務を行う作業場
(41) ディーゼルエンジンにより発電の業務を行う作業場
(42) 多数の機械を集中して使用することにより製造、加工又は搬送の業務を行う作業場
(43) 岩石又は鉱物を動力により破砕し、又は粉砕する業務を行う作業場
(44) 振動式スクリーンを用いて、土石をふるい分ける業務を行う作業場
(45) 裁断機により石材を裁断する業務を行う作業場
(46) 車両系建設機械を用いて掘削又は積込みの業務を行う坑内の作業場
(47) さく岩機、コーキングハンマ、スケーリングハンマ、コンクリートブレーカ等圧縮空気により駆動
される手持動力工具を取り扱う業務を行う作業場
(48) コンクリートカッタを用いて道路舗装のアスファルト等を切断する業務を行う作業場
(49) チェーンソー又は刈払機を用いて立木の伐採、草木の刈払い等の業務を行う作業場
(50) 丸のこ盤、帯のこ盤等木材加工用機械を用いて木材を切断する業務を行う作業場
(51) 水圧バーカー又はヘッドバーカーにより、木材を削皮する業務を行う作業場
(52) 空港の駐機場所において、航空機への指示誘導、給油、荷物の積込み等の業務を行う作業場

騒音作業従事者労働衛生教育の受講が必要である

保護具② L

騒音職場においては、労働者が長時間作業に従事し続けることによって騒音性難聴を引き起こすことが懸念されます。騒音性難聴は現代の医学では回復見込みが期待できない疾病のため、一度発症すると治癒することなく、一生付き合いしていかなければなりません。

このような背景から厚生労働省では、「厚生労働省基発第546号騒音障害防止のためのガイドライン」を発出し、事業者に対し、騒音を発する有害な作業場において騒音障害防止対策を講ずることにより、労働者の騒音障害を適切に防止するが責務とされています。

事業者は、常時騒音作業に従事しようとする労働者に対し、「騒音作業従事者労働衛生教育」を実施するよう定められています。「騒音作業従事者労働衛生教育」を実施し、安全・安心な職場を築いていきましょう。

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